アーカムのとある馬小屋で見たチラシの裏

筆者shibkiが興味、関心、好奇心の赴くままにチラ裏情報を書き綴ります。

SRAMのすごさ

こんにちは、shibkiです。

ワンダースワン熱が冷めない。それについての記事を探してネット上を徘徊しています。

そこでこんな情報を入手。

 

通電状態でバックアップ電池を交換するとSRAM内に保存されたデータを保持したまま交換を完了できる。

 

えっ⁈これマジなの⁉︎

ということでSRAMについて調べてみました。SRAMエスラム)は発揮性メモリと呼ばれる外部からの電力供給を必要とする電子データ保存装置です。

不揮発性メモリはその逆で、データの保持に電力の供給は必要ありません。最近の携帯ゲーム機に搭載されているフラッシュメモリまたはメモリーカードなどがこれにあたりEEPROMと呼ばれます。

これだけ聞くとデータの保持に電力を必要としないEEPROMが一見優っているように思えますが、それはノーメンテナンス前提での話です。

電力の供給には多くの場合コイン型のリチウム電池が使われます。これの定期的な交換を行った場合、SRAMとEEPROMとの性能差は下記の通りです。

 

寿命 SRAM > EEPROM  長い > 短い

速度 SRAM > EEPROM  速い > 遅い

値段 SRAM > EEPROM  高い > 安い

 

まず寿命ですがEEPROMの書き込み回数の上限は多くて100万回とされており、時間にして一般的にはおよそ10年間のデータ保存が可能となっています。そしてSRAMの場合ですが、書き込み上限回数が10の15〜16乗回とされており、時間に表すと1秒に1回書き込みをしたとして3000万年〜3億年が理論値上の寿命となっています。これが故にSRAMの寿命は半永久的と定義されているようです。

また、書き込みと読み込みの速度もSRAMのほうが高速なためWizardryのようなオートセーブを頻繁に行うゲームにはSRAMが使用されます。移植作であるPlayStation版のWizardryがオートセーブに対応していないのはメモリーカード(EEPROM)保存による書き換え可能回数の上限と速度の問題があったためと思われます。

製造コストはSRAMがEEPROMに比べ高価であり、容量あたりに対してのコストからSRAMよりもEEPROMが安価に製造できることが広く普及した理由と考えられます。

このように電力の供給問題さえクリアできれば、ことセーブデータの長期保存においてはEEPROMよりもSRAMが優れていることがわかります。

これらゲームのバックアップに使われるSRAMのデータ保持に必要な電力は極端に少なく、コイン型リチウム電池で10年ほど保つと言われています。ただし、時計機能などがROM側に搭載されているゲームにはその分の電力が必要となるため電池の寿命は短くなります。この他、電池であるが故に気温などによる影響も少なからず受けます。

ゲームボーイスーパーファミコンSRAM用電池の交換を考えて作られてはいなかったために電池が半田付けされている場合が多く、通電しながらの電池交換は難易度が高いようです。

ワンダースワンは多くの場合コイン型電池を手軽に交換可能なケース付きで装着してあるようなのでROMを本体に挿入し、通電状態にしたまま交換ができるようです。ハードによらずセーブデータを保持したままバックアップ電池を交換する必要がある場合、メーカー側でこの交換方法を施してくれることもあったそうな。

やはり自分で実際にやってみないことには確実性を示すことができないので後日、テスト用のROMで試してみようと思います。

これができた場合、WizardryのROMは一本でも大丈夫ということに…でもそこは通信用にもう一本欲しいなあ。

 

しかし今回SRAMについて調べたことで、Wizardryのみならずオートセーブ機能の敷居の高さを知ることができました。

ファミコンのゲームでは頻繁に、しかもラグなど感じないレベルでセーブデータを書き残せていたのに機械的に進化したはずのPlayStationではオートセーブどころか通常のセーブにすら時間がかかるものもあります。

Wizardry系のゲームも、様々なハードで作られていますが肝心のセーブ周りの取り扱いで緊張感に欠けたプレイになってしまっているタイトルもありました。ゲーム自体は面白いのにセーブタイミングが任意かつダンジョン内でも可能というのは古き良きWizardryを愛するプレイヤーにしてみればある意味残念な仕様です。このようなゲームを見ると開発は真にWizardryを愛しているわけではないのか…と落胆を覚えていましたがそうではなく、単純にEEPROMの寿命=書き換え回数の上限を節約する目的があり、加えてSRAMのように高速で書き換えを行えない仕様上、セーブの度に動作が重くなったり専用画面に移行するなどのテンポロスを防ぐ目的もあったのだと考えます。

ファミコン版のWizardryのようなオートセーブがPlayStation上で行われたとしたらメモリーカードの寿命を何倍もの速さで縮めるだけに留まらず、セーブの度にやってくる一瞬の間(書き込み時間)がプレイヤーのやる気を削ぎ、もれなくどこかの評価サイトなどで「セーブ中の表示がいちいちウザい」「レスポンス悪し」「ファミコン版の劣化」などと散々な評価を受けた挙句クソゲーの烙印を押されるのが見えています。その後は決まってKOTYにノミネート後、一次出荷のみの在庫不良という流れ。

 

なんだSRAM優秀じゃないか。